木綿布子もめんぬのこ)” の例文
精々二十八九、まだ若くて眼鼻立も立派な男ですが、恐ろしく陽にけて、手足も節くれ立ち、着て居るものも、木綿布子もめんぬのこの至つて粗末なものです。
しかし、この木綿布子もめんぬのこ一枚の放浪児の主人として、自身が不足であろうかなどとは、考えられもしなかった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
せいぜい二十八九、まだ若くて眼鼻立ちも立派な男ですが、恐ろしく陽にけて、手足も節くれ立ち、着ているものも、木綿布子もめんぬのこの至って粗末なものです。
針売りすがたの木綿布子もめんぬのこ一枚、それも旅垢たびあかに臭いほど汚れたのを着て幾日も飯を喰べないような空腹すきばらをかかえ、飯を与えるとがつがつとはしを鳴らして喰べながら、何か夢みたいなことを訴えていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)