最終しまい)” の例文
私はふくつらをして容易にたない。すると、最終しまいには渋々会いはするが、後で金をもってかれたといって、三日も沸々ぶつぶつ言ってる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
何だよお前今頃に帰つて来て、何を面白さうに独りで饒舌しやべつてるんだ。もうくに最終しまい汽車は通つてしまつたよ。早く這入つておしまひな。馬鹿馬鹿しい、近所合壁へも聞こえるや。
磯馴松 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
最終しまいには取捉とッつかまえて否応いやおうなしに格子戸の内へ入れて置いては出るようにしていたが、然うすると前足で格子を引掻いて、悲しい悲しい血を吐きそうな啼声なきごえを立ててあとを慕い
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私は生来の朝寝坊だから、毎朝二度三度おこされても、中々起きない。優しくしていては際限がないので、母が最終しまいには夜着をぐ。これで流石さすがの朝寝坊も不承々々に床を離れるが、しかし大不平だいふへいだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)