書架ほんだな)” の例文
まだペンキの香のする階段はしごだんを上って行って二階の部屋へ出ると、そこに沢山並べた書架ほんだながある。一段高いところに書籍ほんの掛りも居る。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
書架ほんだなも机の抽斗ひきだしも、押入の行李こうりまで、大風の跡みたいに掻き廻されているではないか。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
捨吉は窓に近く造りつけてある書架ほんだなの前へ行って立って見た。何気なく足立の蔵書を覗くと、若い明治の代に翻刻されたばかりの「一代女」が入れてある。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)