暮六くれむ)” の例文
何も食わずに、腹がったとも思わずにいたのである。暮六くれむつが鳴ると、神主が出て「残りの番号の方は明朝おいでなさい」
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
峰の、寺の、暮六くれむつの鐘が鳴りはじめた黄昏たそがれです。樹立こだちを透かした、屋根あかりに、安時計のセコンドをじっる……カーン、十九秒。立停たちどまったり、ゆっくり歩行あるいたり、十九秒、カーン。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
寛永寺の暮六くれむツが鳴ると、最後に出かけた一人が立帰って
三国岳みくにだけふもとの里に、暮六くれむつの鐘きこゆ。——幕を開く。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
千本通せんぼんどおり暮六くれむツが鳴る。