昼鳶ひるとんび)” の例文
が、事件はそれだけではありません、その昼鳶ひるとんびを追っかけて、思わず敷居を跨いだ半十郎、何がなし重大な不安を感じて、フト後ろを振り返って驚きました。
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
彼奴あいつらア人間はおまんま喰わねえでも生きてるもんだと思っていやがらア。昼鳶ひるとんび持逃もちにげ野郎奴。」
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「だってね、ようやっと談判が調った処で、お婆さん、腰が立たないんでしょう。私が納屋へ入ってかきまわして持って来たんですのさ。」「肩がきがつくぜ、まるで昼鳶ひるとんびだ。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)