“旭町”の読み方と例文
読み方割合
あさひまち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
からすいている。省線がごうごうと響いている。朝の旭町あさひまちはまるでどろんこのびちゃびちゃな街だ。それでも、みんな生きていて、旅立ちを考えている貧しい街。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
最初に見える人家は旭町あさひまち遊廓ゆうかくである。どの家にも二階の欄干に赤い布団が掛けてある。こんな日に干すのでもあるまい。毎日降るのだから、こうしてさらすのであろう。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
新宿の旭町あさひまちの木賃宿へ泊った。石崖いしがけの下の雪どけで、道があんこのようにこねこねしている通りの旅人宿に、一泊三十銭で私は泥のような体を横たえることが出来た。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)