旬日じゅんじつ)” の例文
しかし、背後より迫ってきた部隊に退路を要撃されることによって、その逃亡は絶望となった。既に十二月に入って旬日じゅんじつが過ぎていたのである。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
今まさに旬日じゅんじつの後に選挙が行われて、今全国は選挙の競争が盛んに起っておる時でありますのであります。
憲政に於ける輿論の勢力 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
またむかし武田勝頼たけだかつより三河みかわ長篠城ながしのじょうを囲み、城中しょくきもはや旬日じゅんじつを支え得なかった時、鳥居強右衛門とりいすねえもん万苦ばんくおかして重囲をくぐり、徳川家康とくがわいえやすまみえて救いを乞い
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
木村項きむらこうの発見者木村きむら博士の名は驚くべき速力を以て旬日じゅんじつを出ないうちに日本全国に広がった。
学者と名誉 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「では都へでも旬日じゅんじつのまに行ってまた、すぐ還って来られますな。それは奇妙な重宝者ちょうほうもの
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「では行って来ます。吉報は旬日じゅんじつのまにお耳に入りましょう。おさらば」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これに反して総選挙は今や旬日じゅんじつの間に迫って来た。
選挙人に与う (新字新仮名) / 大隈重信(著)