族滅ぞくめつ)” の例文
匈奴きょうど右校王うこうおうたる李陵りりょうの心はいまだにハッキリしない。母妻子を族滅ぞくめつされたうらみは骨髄こつずいに徹しているものの、みずから兵を率いて漢と戦うことができないのは、先ごろの経験で明らかである。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
……拙者といたしては、天国の剣をもって、貴殿はじめ、伊東家の一族を、族滅ぞくめついたしたいのでござる。……とはいえ、ああまで大切そうに、お浦殿が抱きしめている天国を、もぎ取るも気の毒。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)