“旅仕度”の読み方と例文
読み方割合
たびじたく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と東京浅草の家の方で節子の言った言葉、岸本が旅仕度たびじたくでいそがしがっていた頃に彼女の近く来て言ったあの言葉が、ふと胸に浮んだ。岸本は独りでそれを思出して見て、ひやりとした。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
家のものにそうくわしいことも聞かせず、快活らしく笑って、最早旅仕度たびじたくにいそがしい父——狼狽ろうばいしている母——未だ無邪気な妹——お俊は涙なしにこの家の内の光景ありさまを見ることが出来なかった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)