料理番コック)” の例文
「遠眼鏡屋」で黒犬を見てから私の例の疑念はすっかり再び呼び覚されていたので、私はその料理番コックをよく気をつけて注視していた。
ちょいちょい奢侈が頭をもたげて、相当腕ききの料理番コックを雇ったり、オランダ渡りの薄手のシャツを身につけるようになった。
「なくなっちまいました。料理番コックが毎日新聞紙を使いますので……フライパンを拭いたり何かして、あとを焚付たきつけにしてしまいますので……」
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
こうして初めの十五章が書き上げられたが、当時は作の表題は「船の料理番コック」であった。
宝島:01 序 (新字新仮名) / 佐々木直次郎(著)
そう言うと、その勇敢な男は料理番コックにくるりと背を向けて、海岸の方へ歩き出した。しかし彼は遠くまでは行かれぬ運命だった。
このうち料理番コック好色漢すけべえの支那人が、別嬪と聞いてわざわざ覗きに上って来た位、美しいのであった。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
料理番コックは猿のようにうまく舷側ふなばたを上って来て、やっていることを見るや否や、「おや、兄弟きょうでえ! これぁ何だい?」と言った。