斑文はんもん)” の例文
また、信夫しのぶ郡の仙郷といわるる土湯村に、聖徳太子を祭れる堂がある。その像の腹の辺りに斑文はんもんがあるそうだ。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
なぜなら EL のEは、Fの見誤りで、次にあるDの字は、腐肉に現われた自然の斑文はんもん
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
頭と胴とで一米に近く、毛色は赤味を帯びた暗灰色で、円形の暗色斑文はんもんが散らばっているという。毛は長くはないが、いかにももっさりと厚い感じだ。口は頬までも裂けていそうだ。
黒猫 (新字新仮名) / 島木健作(著)
青臭いのも、体のつめたいのも、はじめのうちこそ気味がわるかつたがお姫様だとおもへばなにもかも平気になり、背なかにある三日月がたの斑文はんもんを可愛らしい眼だと思ふやうになつた。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)