撥条はじき)” の例文
旧字:撥條
そこでこれはどこかに撥条はじきが隠れてゐるだらうと思つた。釘だけの事を考へると、如何にも不思議らしく見えても、撥条があるとすると、解決の道が付くのだ。
うしたことか傍にあるのは、持ち慣れた、磨き立つた、好く油を引いた鳥銃ではなくつて、古い銃身には一面にさびの附いた、撥条はじきの落ちた、を虫の喰つた鳥銃です。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
己は又その釘の頭を元の通りに錐の孔に嵌めて見た。しつくり嵌つて、折れた釘とは見えない。それから己は撥条はじきを押して窓の戸を二三寸押し上げて見た。窓の戸はすうつと上がる。