挽物ひきもの)” の例文
小田原は挽物ひきものさかんな所でありますが、余りにも安いものを心掛けるためか、概して質が落ちているのは残念なことであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
挽物ひきもの細工の玩具などを買って帰ろうとすると、町の中ほどで赤い旗をたてた楽隊に行きあった。活動写真の広告である。
秋の修善寺 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
鉄床かなとこにその鉄槌をしばらく置くが如き、屋根葺き屋が屋根を葺くのに、竹の釘を口に含み、我国の屋根葺きや挽物ひきもの細工師が同じようなことをする場合と同様に、素速く手を前後に動かすが如き
宇都宮うつのみやの町に挽物ひきもの師が、形のよい漏斗じょうご手轆轤てろくろにかけているのを見ました。売る先は静岡県の酒屋だということでありました。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
挽物ひきもの細工の玩具などを買って帰ろうとすると、町の中ほどで赤い旗をたてた楽隊に行きあった。活動写真の広告である。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
内側を深くった挽物ひきもので、そこに様々な色で横筋を入れてあります。かかる独楽は他の国に例が見当りません。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
館長高津氏の好意で品々を見たが、ここは思いにまさる豊な倉庫であった。続いて現れる品物に私たちは思わず声を挙げた。石器、挽物ひきものすずり、墨、小刀、団扇うちわなど、多量の収獲が吾々を迎えた。
全羅紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)