打抜ぶちぬ)” の例文
旧字:打拔
先ず貴老あなたのような有力者が発起人となって第一回を貴老のお屋敷で開くとしたらあのお客座敷を二室ふたま打抜ぶちぬいて二、三十人のお客は楽に出来ます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
酒は一樽打抜ぶちぬいたで、ちっとも惜気おしげはござりませぬ。海からでも湧出すように、大気になって、もう一つやらっせえ、丁だ、それ、心祝いに飲ますべい、代は要らぬ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
聞えないで僥倖さいわい。ちょっとでも生徒の耳に入ろうものなら、壁を打抜ぶちぬく騒動だろう。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)