手弱たお)” の例文
骨ぼその手弱たおやかなからだつきで、濃すぎるほどの眉にも臙脂べにをさしたようなあかくちもとにも、どこかしらんもろい美しさが感じられる、直輝は妻の眼もとを見てうなずいた。
日本婦道記:梅咲きぬ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ここへ例の女の肩に手弱たおやかな片手を掛け、悩ましい体を、少し倚懸よりかかり、下に浴衣、上へ繻子しゅすの襟のかかった、縞物しまものの、白粉垢おしろいあかに冷たそうなのをかさねて、寝衣ねまきのままの姿であります、幅狭はばせまの巻附帯
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)