戦死うちじに)” の例文
「東郷大将は、もう往っちゃったのか、東郷大将は」淋しそうに笑って、「おいらもなあ、あの時鵜沢連隊長殿と戦死うちじにしてたらなあ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
『此子はお前さんの顔を覚えられねえけんど、お前さんは此子の顔を能く覚えて、戦死うちじにしても忘れねえで下せえよ。それが此子への……。』
昇降場 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「またそんなはしたないことを。——そうかい。あの千々岩が戦死うちじにしたのかい! でもよく戦死うちじにしたねエ、千鶴さん」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「東郷大将、うう、東郷大将か」物の影を追うようにして、「沙河シャーホーいくさは、面白かったなあ、おいらもあの時、鵜沢うざわ連隊長殿と戦死うちじにするところだった」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
『お前さんが戦死うちじにさッしゃッても、日本中の人の為だと思って私諦めるだからね、お前さんも其気で……ええかね。』
昇降場 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「エ、千々岩! あの千々岩が! どうして? 戦死うちじにかい?」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)