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懐袍
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ふところ
ふりがな文庫
“
懐袍
(
ふところ
)” の例文
即ち蕪村は、その藪入りの娘に代って、彼の魂の哀切なノスタルジア、亡き母の
懐袍
(
ふところ
)
に夢を結んだ、子守歌の古く悲しい、遠い追懐のオルゴールを
聴
(
き
)
いているのだ。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
と歌う蕪村は、常に寒々とした人生の
孤独
(
アインザーム
)
を眺めていた。そうした彼の寂しい心は、
炉
(
いろり
)
に火の燃える人の世の侘しさ、古さ、なつかしさ、暖かさ、楽しさを、慈母の
懐袍
(
ふところ
)
のように恋い慕った。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
と、悲しみ極まり歌い
尽
(
つく
)
さねばならなかった。まことに蕪村の俳句においては、すべてが魂の家郷を恋い、火の燃える炉辺を恋い、古き昔の子守歌と、母の
懐袍
(
ふところ
)
を忍び泣くところの哀歌であった。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
懐
常用漢字
中学
部首:⼼
16画
袍
漢検1級
部首:⾐
10画
“懐”で始まる語句
懐
懐中
懐手
懐紙
懐疑
懐剣
懐炉
懐柔
懐刀
懐妊