惡辣あくらつ)” の例文
新字:悪辣
惡辣あくらつな高利貸しとなつてゐるのを知るに至つて、もう、既に金ばかり欲しがるあり勝ちな平凡人に過ぎなくなつてゐると侮辱するやうになつた。
若くて惡辣あくらつな溝口屋のために次第に出入りの大名屋敷を奪はれ、三年前伏見屋傳七が死んだ後は、伜の傳之助は店を疊んで行方ゆくへ知れずになつてしまひました。
おきみはいつの間にか、こゝの片目の主人から、途方もない惡辣あくらつな策略のわなに掛けられてゐたのであつた。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
尤も顏は親の善兵衞の惡辣あくらつ無殘な性格をそのまゝ承け繼いだやうに、珍らしい不きりやうでした。
テイヤには、從兄弟が鰊釜にしんがまを代用して、かの惡辣あくらつな世話人に抱き込まれてゐる。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
飯田町の伏見屋傳七が死んだのは、噂の通り縊死いし。溝口屋鐘五郎の惡辣あくらつな奸策に乘ぜられて、一つ/\出入大名の屋敷を縮尻しくじり、最後にのつ引ならぬ窮境に追ひ込まれて、自分の命を縮めたのでした。
贋金使ひのあまりの惡辣あくらつさに、平次も唸らされます。
銭形平次捕物控:274 贋金 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)