さから)” の例文
中にはまるで風にさからつて動いてゐる所もある。泡は余り立たない。只岩のある近所だけに白い波頭が見えてゐる。
うづしほ (新字旧仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
私は親にさからふのぢやない、阿父さんと一処に居るのをきらふのぢやないが、私は金貸などと云ふいやしい家業が大嫌だいきらひなのです。人をなやめておのれこやす——浅ましい家業です!
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
恩になる姫様ひいさま、勇美子が急な用というにさからい得ないで、島野に連出されたお雪は、屠所としょの羊のあゆみ
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)