悔改くいあらため)” の例文
されば最後に彼は「これをもて我れ自ら恨み(自己をみ嫌い)、塵と灰との中にて悔ゆ」と悔改くいあらための涙を出すに至ったのである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
罪の重荷は忘れざるによつて忘るゝを得べし、忘れたる重荷はいつまでも重荷なり。悔改くいあらための生涯は即ち信仰の生涯なるか。
山庵雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
その悔改くいあらためと受洗間際まぎわの感動とで震えているような髪を、霊によって救われたという肉を、あたかも一の黙示に接するかのようにして眺めていた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
悔改くいあらため」とはギリシャ語でメタノイアと言い、心の向きを変えること、生活態度を百八十度転回することを意味する。
キリスト教入門 (新字新仮名) / 矢内原忠雄(著)
近頃になつて、ジエィン——ほんの——ほんの近頃になつて——私は自分の運命に加へられた神の手を見もし知りもするやうになつたのだ。悔恨、悔改くいあらためめを、經驗しはじめたのだ。
曰く、人々を悔改くいあらために導くなり。悔改とは何ぞ。曰く、不善に向ひたる霊性を善に向はしむるなり。
各人心宮内の秘宮 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
実に悔改くいあらため後のヨブは、この世の幸福という幸福を以て見舞われたのである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
大なる「悔改くいあらため」は、又た一個の大信仰なり。
山庵雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)