志乃しの)” の例文
志乃しのの方と申しましてな。そこで紀州のお館様やかたさま、ご寵愛なされたのでございますよ。そうしてお子様をもうけましたので。それも双児ふたごのお姫様をね。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
正直ですら払底ふっていな世にそれ以上を予期するのは、馬琴ばきんの小説から志乃しの小文吾こぶんごが抜けだして、向う三軒両隣へ八犬伝はっけんでんが引き越した時でなくては、あてにならない無理な注文である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)