心易しんえき)” の例文
「易といっても、わしのは心易しんえき、いや霊易れいえきといおう。地相、水相、また、天象てんしょうなど考えあわせ、じっと、目をつむったら、あの山に行けとが出た」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
智真長老は、胸のうちで、心易しんえきでも立てているのか瞑目めいもく久しゅうして、一をつぶやいた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
同宗のよしみで、四方山よもやまの話をしているうちに、不動院の院主という老人がそこへ来合せ、話に花が咲き出した。院主は梅花堂の心易しんえきをよくする者で、千浪と重蔵の運命を占って、言下に
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その判断なら筮竹ぜいちくはいらない。梅花堂流の心易しんえきで、ちょッとこう胸に算木を置いてみるならば……ウムと……山天大畜さんてんたいちくの二爻変こうへん、浅き水に舟をやるのかたち——君子徳を養うのこころというところだ。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)