心懸しんけん)” の例文
貞之進はそれが冗談にききたくなく、又かれずに心懸しんけんに顔あからめ、困り者ですとタッタ一言の調子が合せられずに、虚実の闘いは一先消滅し、かえってそれがために陰然地を造って
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
傍から女房が芸妓買ですかと挑発からかったを、急に買物がと心懸しんけんに言訳して初めて我部屋に入り、もう暮てもいゝ頃と思ったのが午後四時、それからの一時間をやっと送って、過日このあいだの伏糸で宿を立出で
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)