心張しんばり)” の例文
それから、今朝は物置に入つてゐると、外から戸を締めて、輪鍵わかぎをかけて心張しんばりをした上、炭俵へ火をけた者があります。
見ると板戸は閉切たてきってあるものの内側うちから心張しんばりがかかっている様子がまんざら無人とは思われない。
「つね。おもての雨戸の心張しんばりを、固くして、誰が来ても、決して開けちゃならねえぞ」
歌麿懺悔:江戸名人伝 (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
この家の主人あるじが先立ちで、駕籠屋、馬方など避難の連中が、ビシビシと戸を締めきり、内からくるるを卸した上に、心張しんばりをかい、なお、万一の時の用意に、慶長年代の火縄の鉄砲を主は持ち出し
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「窓の戸が少し開いて居りました。格子が無いので、不用心だからと、さるをおろした上に、心張しんばりまであるのですが、それが、見えなくなつて居ります」
飛出そうとすると表もお勝手も、外から薪で心張しんばりがして、動きゃアしません。
「そういえば、雨戸に心張しんばりがありませんでした」