微酔機嫌ほろよいきげん)” の例文
旧字:微醉機嫌
いくらか微酔機嫌ほろよいきげんでもあったのでございましょう、ともをつれずに、たった一人で下谷の御徒町おかちまちの方へお帰りになったのでございますよ
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
わきに置いた主人の雪踏せったとお嬢様の雪踏と自分の福草履三足一緒に懐中ふところへ入れたから、飴細工の狸見たようになって、梯子をあがろうとする時、微酔機嫌ほろよいきげんで少し身体がよこになる途端に
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「奥さま、それは微酔機嫌ほろよいきげんの御冗談でございましょうよ。宅の主人も謡曲のことはつい先刻さっき迄私に無断でいたのですから矢張り一昨日の晩は牧野さんへ廻る前に橋口さんへ上ったのかも知れませんわ」
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
男と女と二人で微酔機嫌ほろよいきげんで店を出かけたうちの男の方が、東海道下りから甲州入りまで附纏つきまとって来たがんりきの百蔵に相違ないから、お絹は自分のかおを隠そうとしました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)