微睡まどろみ)” の例文
「やはり少し汽車に疲れたようだ。」とそう云った叔父は、あの室で毛布にくるまり乍ら白日まひる微睡まどろみをソファアの上に貪っているらしい、と彼は思った。
恩人 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
微睡まどろみの睫毛はみてゐる。……囲炉裏に白くなつたおきを。(それが、宛らわたしの白骨、焼かれた残んのほねに似る)
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
その夜は思いがけない蚊の襲撃に悩まされ、破れがちな微睡まどろみの中に明けた。
一ノ倉沢正面の登攀 (新字新仮名) / 小川登喜男(著)