御願おねがい)” の例文
実はわたし何某なにがしの娘で御座ございますが、今宵こよい折入って、御願おねがいに上った次第というのは、元来わたしはあの家の一粒種の娘であって、生前に於ても両親の寵愛も一方ひとかたでは御座ございませんでした
雪の透く袖 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
ソレに君がこんな大造たいそうな長い刀をいじくると云うのは、君に不似合だ、すがい、御願おねがいだからしてれ。論より証拠、君にはこの刀は抜けないにきまって居る、それとも抜くことが出来るか。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「へい、御願おねがいでござりまする。」と二人は手を合わせて拝みぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)