御鎧おんよろい)” の例文
赤地錦の直垂ひたたれに、色かんばしい緋縅ひおどしよろい、すなわちあさひ御鎧おんよろいを召された、大塔宮護良だいとうのみやもりなが親王は、白磨きの長柄をご寵愛の家臣、村上彦四郎義光よしてるに持たせ、片岡八郎その他を従え
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いま国宝の一つに数えられている紫裾濃むらさきすそご甲冑かっちゅうは、これも在来は日本武尊の御鎧おんよろいと伝えられたもので、実は後宇多天皇の弘安四年に蒙古退治の御祈願に添えて奉納されたものだそうです。
それはうるう二月の一日であったが、この日宮家には蔵王堂の御座ぎょざに、赤地の錦の鎧直垂よろいひたたれに、こくばかりの緋縅ひおどしの鎧——あさひの御鎧おんよろいをお召しになり、竜頭たつがしら御兜おんかぶとをいただかれ
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
御鎧おんよろいに立つところの矢七筋、おん頬にも二のおん腕にも、お傷を受けられて血流れ出で、全身をくれないにお染めになりながら、敷き皮の上にお立ちになり、大盃を三度まで、さも快よく傾むけさせられれば
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)