御那美おなみ)” の例文
温泉場ゆば御那美おなみさんが昨日きのう冗談じょうだんに云った言葉が、うねりを打って、記憶のうちに寄せてくる。心は大浪おおなみにのる一枚の板子いたごのように揺れる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「ああいいとも、いつでもいる。ここの御嬢さんも、よう、来られる。——御嬢さんと云えば今日は御那美おなみさんが見えんようだが——どうかされたかな、隠居さん」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)