御歿おな)” の例文
こゝで御歿おなくなりになつた妹君の御身の上にも、兎角の噂が立ちまして、中には又月のない夜毎々々に、今でも怪しい御袴の緋の色が
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
こゝで御歿おなくなりになつた妹君の御身の上にも、兎角の噂が立ちまして、中には又月のない夜毎々々に、今でも怪しい御袴おんはかまの緋の色が
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「悲しうございます。よしんば御父様が御歿おなくなりなすつても、これ程悲しくございますまい。」
老いたる素戔嗚尊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし少納言様の急に御歿おなくなりになった御話は、前に一応申上げました通り、さらにそのような次第ではございませんから、その噂は申すまでもなく、皆跡方あとかたのない嘘でございます。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)