御徒士町おかちまち)” の例文
御徒士町おかちまちの叔父の家に、彼は、その日から窮屈な禁足を命ぜられた。六畳間の座敷ろうだ。読書以外、庭へ出るのも、許されない。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御徒士町おかちまちの——なるほどそうか。親御の五兵衛さんがどうしたんだ。最初から順序を立てて、詳しく聴かして貰おう」
それに就いて罷出まかりでました……無面目に、お家をうかがい、御叱おしかりを蒙ったで、恐縮いたすにつけても、前後申後もうしおくれましてござるが、老人は下谷御徒士町おかちまちに借宅します
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あの御徒士町おかちまちの通りのツン/\したプラターヌスの葉も真青になりました。
御徒士町おかちまちの——成程さうか。親御の五兵衞さんが何うしたんだ。最初から順序を立てゝ、詳しく聽かして貰はう」
與三郎を殺した時は御徒士町おかちまちまで藥取りに行つたに相違ないにしても、無理に都合をして、首尾よく與三郎をおびき出せば、お茶の水まで廻る隙が無いとは言へず
親分さん——ととさんの出入りの御屋敷で御目見以上というと、三軒しかありません。一軒は金助町きんすけちょう園山若狭そのやまわかさ様、一軒は御徒士町おかちまちの吉田一学いちがく様、あとの一軒は同朋町どうぼうちょう篠塚三郎右衛門しのづかさぶろうえもん
今では御徒士町おかちまちの吉田一学様のところにいるが、奥方は毎日見舞い、弟の勇三郎も時々見舞っているが、いい塩梅あんばいに持ち直して、二三日でけろりと治り、今では元の身体になったということですよ
自分で御徒士町おかちまちまでお糸の合藥を買ひに行つてゐますよ。