“御天道様”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おてんとうさま50.0%
おてんとさま50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
窓の両側から申訳のために金巾かなきんだか麻だか得体えたいの分らない窓掛が左右に開かれている。その後に「シャッター」が下りていて、その一枚一枚のすき間から御天道様おてんとうさまが御光来である。
倫敦消息 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だから芸術家が自分を閑人と考えるようじゃ、自分で自分の天職をなげうつようなもので、御天道様おてんとうさまにすまない事になります。芸術家はどこまでも閑人じゃないときめなくっちゃいけない。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それでいて御天道様おてんとさまが向う側にあるんだからその一人一人がどれもこれもみんな灰色の化物に見えるんで、すこぶる奇観でしたよ
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は御覧の通り眼をわずらって以来、色という色は皆目かいもく見えません。世の中で一番明るい御天道様おてんとさまさえもう拝む事はできなくなりました。ちょっと表へ出るにも娘の厄介やっかいにならなければ用事は足せません。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)