御内人みうちびと)” の例文
それは重畳ちょうじょうじゃ。何、予が頼みと申しても、格別むずかしい儀ではない。それ、そこに老爺おやじは、少納言殿の御内人みうちびとで、平太夫へいだゆうと申すものであろう。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
昨夜弟の右源次が、大塔宮様の御内人みうちびとに、館において突き殺され、宮様一行はその夜発足、今日この地へ遁がれて来たので、わしはその後を追って来たと。——
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
もう何をかくしましょう、わたくしは小松殿の御内人みうちびとです。成田兵衛なりたのひょうえの郎党で庄司七郎しょうじのしちろうという者です。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まことの武門をかがやかしたもう伊那丸いなまるさまの御内人みうちびと加賀見忍剣が、天にかわって誅罰ちゅうばつしてくりょう
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「宮様御内人みうちびとの何者かに、たしかに右源次は殺されたのだからのう」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)