御入洛ごじゅらく)” の例文
り候しかし小生の心の底には別に一種の考ありて貴兄の御入洛ごじゅらくを小生自身にとりて非常なる幸福と存ずると共にただ今帝都にて新芸術の華々はなばなしき活動を試みさせ給ふ貴兄を
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
尚々なおなお明日にも御入洛ごじゅらく待上候。まずそれまでは現状を維持被成候様なされそうろうよう、此儀くれぐれも御願申上候。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「そうそう、あの折、小六の宅に泊っておられた客僧どのが、あなたであった。——つい先頃、年の暮、二条のお館で、惟任これとうどのからちらと、御入洛ごじゅらくのうわさは聞いていたが」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「その旨、沙汰さた申した。が、右大臣家には、すでに御入洛ごじゅらくであろう」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)