御会釈ごえしゃく)” の例文
「あいや、主人秀吉様を、越水おちみずにお待ち願ってあるので、御都合のみを伺って、すぐ引っ返したいのです。御会釈ごえしゃくは、略して欲しい」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なんの御会釈ごえしゃくに及びましょう。おんもてなしはわたくしどもの役目、何事も不行届きで申し訳がござりませぬ。この頃の春の日の暮るるにはまだひまもござりましょう。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それにはただきまで付いていて、宮方へ行き合う節は御供頭おともがしらへそのむねを通じ、公使から相当の礼式があれば御会釈ごえしゃくもあるはずだというようなことまで規定されている。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
お宮のあるところから十里四方は、いつの世までも年貢おゆるしのところ、権現様ごんげんさまも湯の島へ御入湯の時に御会釈ごえしゃくでござんした。たとえ罪人でもあの土地へ隠れておれば、おかみも知って知らぬふりを
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
御会釈ごえしゃくでおそれ入る。さあ、どうぞお先へ」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)