御休処おやすみどころ)” の例文
旧字:御休處
西のはずれでたぬき膏薬こうやくなぞを売るように、そこには、名物くりこわめしの看板を軒にかけて、木曾路を通る旅人を待つ御休処おやすみどころもある。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
市町の中ほどに「御休処おやすみどころ」と軒行燈の出た家がある、権頭の二人の盟友はそこへ入っていった。
このおかしらは、諸講中の下げ札や御休処おやすみどころとした古い看板のかかった茶屋の軒下を出たりはいったりして、そこに彼を出迎えていてくれたのだ。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
御休処おやすみどころとした古い看板や、あるものは青くあるものは茶色に諸講中こうじゅうのしるしを染め出した下げ札などの掛かった茶屋の軒下から、往来一つ隔てて向こうに翁塚おきなづかが見える。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
荒町あらまち、みつや、横手よこて、中のかや、岩田いわたとうげなどの部落がそれだ。そこの宿はずれではたぬき膏薬こうやくを売る。名物くりこわめしの看板を軒に掛けて、往来の客を待つ御休処おやすみどころもある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
御休処おやすみどころとした古い看板、あるものは青くあるものは茶色に諸講中こうじゅうのしるしを染め出した下げ札、それらのものの軒にかかった新茶屋で、美濃から来たもの同志こんなことを語り合った。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
間もなく半蔵はこの御休処おやすみどころとした看板のかかったところを出た。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)