御仁慈ごじんじ)” の例文
せがれどもの生命いのち二つが、わしらへ下さる恩賞に代って、もっとこの村のうえに、ひろい御仁慈ごじんじとなってくだされたらと。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……まして、いわんや、上様お手飼のお鶴。上の御仁慈ごじんじをうけつがぬことはないはず。おのれのために、尊い人間の一命を失わせるようなことはいたしますまい。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
殿様も誠に御仁慈ごじんじ厚く、また御重役方も皆しん智仁ちじんのお方々だという事を承わって居りますが、拙者はな、お屋敷ないに罪あるもので、既にお手討にもなるべき者を助けました事が一廉ひとかどございます
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お計らいに依って、主人の遺書辞世も、国表に達し得まして、旧藩士一統、内蔵助以下、皆、あなた様を徳として、のようにか御仁慈ごじんじを謝して居りました。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)