御上洛ごじょうらく)” の例文
善鸞様御上洛ごじょうらくのみぎりにも、私は間違いがあってはならないと思って幾度あの人を戒めたか知れません。私をかろく見ています。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
お見送りの出来ないのがただ名残なごしゅうぞんじます。けれど金子は、明朝御出立のまぎわ迄に、必ずお手許まで届けさせます故、家事など此儘このまま後顧こうこなく御上洛ごじょうらくくださいまし。
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三年うしの八月、将軍家重公いえしげこう御上洛ごじょうらく。同年芳江比巴国山兎狩御出。
ひとごろし (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
唯円 急ぎ御上洛ごじょうらくあそばすよう稲田いなだへ使いを立てておいた。もう御到着あそばすはずになっている。もうおもなお弟子でしたちには皆通知してあるのだ。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
「例の、御上洛ごじょうらくの件です」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今度御上洛ごじょうらくあそばしたのもあなたに心がひかれたのらしいのです。私をお呼びなさるもあなたの身辺の御様子が何くれとなく聞きたいためなのですよ。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)