徒汗むだあせ)” の例文
一家いっけを挙げ、親族を尽し、腰弁当を提げて、早朝より晩夜まで、幾日間炎天に脳汁をられて、徒汗むだあせきたるともがらは、血眼ちまなこになりぬ。失望してほとんど狂せんとせり。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)