後連あとれん)” の例文
羽織を高座で脱いでおいて咄をしている、後連あとれん(自分のあとに上る人)がくると、前座がこの羽織を引っこめる。あとのきた合図である。定連は羽織が引けたから、あとがきたなとわかる。
噺家の着物 (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)
別世界は別世界相応の話柄はなしの種も尽きぬものか、朋輩ほうばい悪評わるくちが手始めで、内所の後評かげぐち廓内くるわの評判、検査場で見た他楼よその花魁の美醜よしあし、検査医の男振りまで評し尽して、後連あとれんとさし代われば
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)