後患こうかん)” の例文
「もし、協皇子を、皇太子に立てたいという思し召ならば、まず何后の兄何進から先に誅罰ちゅうばつなさらなければなりません。何進を殺すことが、後患こうかんをたつ所以ゆえんです」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人を殺せば殺される。殺されたものは社会から消えて行く。後患こうかんのこさない。趣味の堕落したものは依然として現存する。現存する以上は堕落した趣味を伝染せねばやまぬ。彼はペストである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)