後味あとあぢ)” の例文
私は何か香氣かうきあるものをはじめて味つた。飮むとあたゝかくて、新鮮な香り高い酒のやうだつた。そして後味あとあぢつぱく、腐敗して毒を呑まされたやうな氣持ちだつた。
彼は妻の寝息を聞くのがたまらないで、そつちに背を向けて、丸つこく身をかがめて耳もとまで夜着を被つた。憤怒のにが後味あとあぢが頭の奥でいつまでも/\彼をしひたげようとした。
An Incident (新字旧仮名) / 有島武郎(著)