律儀者りちぎもの)” の例文
律儀者りちぎものの音松は、スッカリ興奮して、全身に汗を掻くばかり、やたらに額部ひたいをたたみにこすりつけて、何かモゴモゴ言っていると
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ふと視線が合うと、蝶子は耳の附根つけねまで真赧まっかになったが、柳吉は素知らぬ顔で、ちょいちょい横眼よこめを使うだけであった。それが律儀者りちぎものめいた。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
ジガ蜂にくらべるとただ善良な律儀者りちぎものにしか見えなかつたし、山賊のやうな熊蜂は鈍重な愛嬌者あいけうものであつた。
ジガ蜂 (新字旧仮名) / 島木健作(著)
みずからは二十はたちの時に奥歯一本虫に食われて三日病んだ他には病気というものを知らず、さりとてけちで世間のき合いの義理を欠くというわけではなく職人仲間に律儀者りちぎものの評判を取り
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
幸い今申した筆屋幸兵衛なる律儀者りちぎものを探し得ましたので、これを、伊豆屋の代りに推薦すいせんいたした次第、然るに、商家に頼まれたの何のと、心外の至り、山城、近ごろ迷惑に存ずる
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
五唱 嘘つきと言われるほどの律儀者りちぎもの
二十世紀旗手 (新字新仮名) / 太宰治(著)