彦兵衛ひこべえ)” の例文
旧字:彦兵衞
うしろの方に控えていた双方の町名主と付添人つきそいにんたちは、びくっとして、金貸の彦兵衛ひこべえが、う答えるかと、つばをのんで見まもっていた。
鍋島甲斐守 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あかり背負しょった五十年配の屈強な親仁おやじ、左官の彦兵衛ひこべえといえば、仕事のうまいよりは、頑固一徹なので界隈かいわいに知られた顔です。
「やあ、彦兵衛ひこべえ。今日は用人の代理に参った」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
『なんで嘘云うたりすることがおますかいな。道具屋の彦兵衛ひこべえ云うたら、順慶堀じゅんけいぼりでも老舗しにせの方やで聞いてみなはれ。この通り鑑札かんさつ持って、諸国を道具買うて歩いてまんのや』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近所の百姓で、の上手な、彦兵衛ひこべえという男がたずねていた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)