当館とうやかた)” の例文
「こんりんざい、当館とうやかたはお譲りできません。たってお望みなら、天子のご裁可をうけておいでなさい」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「かりそめにも当館とうやかたは、上将軍家より賜わった大名屋敷じゃ。大名屋敷詮議するには、大目付衆のお指図お許しがのうてはならぬ筈、お身、それを知ってのことかッ」
当館とうやかたへ将軍家のおりを仰ぐたび、歌舞にお給仕に、何かのお目なぐさみにもと、年来、眉目みめうるわしいものは召抱えて来たが、さてさて天下にすくないのは美人であった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)