幕合まくあい)” の例文
幕合まくあいの明るい光に照らされた横顔は確かにドーブレクだ。女の方は影になって姿が見えないが、二人は低い声で話し合っている。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
でっぷりと肥えし小主計は一隅いちぐうより莞爾かんじと笑いぬ。「どうせ幕が明くとすぐ済んでしまう演劇しばいじゃないか。幕合まくあいの長いのもまた一興だよ」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
幕合まくあいに廊下を歩いていたら、廊下の曲り角に小さい箱が置かれてあって、その箱に、「今夜の御感想をお聞かせ下さい」と白ペンキで書かれてあるのを見て、ふいとインスピレエション。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)