常居じょい)” の例文
兄はそのお客としばらく話をして、やがてその客が帰って行ってから、「常居じょい」に来て、私が何も言わぬさきから
故郷 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ふと「常居じょい」の隣りの「小間こま」をのぞいて、そこに次兄がひとり坐っているのを見つけ、こわいものに引きずられるように、するすると傍へ行って坐った。
故郷 (新字新仮名) / 太宰治(著)
九月のはじめ、私は昼食をすませて、母屋おもや常居じょいという部屋で、ひとりぼんやり煙草を吸っていたら、野良着姿の大きな親爺おやじが玄関のたたきにのっそり立って
親友交歓 (新字新仮名) / 太宰治(著)
私は妻子と共に仏間へ行って、仏さまを拝んで、それから内輪うちわの客だけが集る「常居じょい」という部屋へさがって、その一隅に坐った。長兄の嫂も、次兄の嫂も、笑顔を以て迎えてれた。
故郷 (新字新仮名) / 太宰治(著)