常世国とこよのくに)” の例文
それから天皇はある年、多遅摩毛理たじまもりという者に、常世国とこよのくにへ行って、かおりの高いたちばなのを取って来いとおおせつけになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
常陸風土記ひたちふどき』を見ると、あの頃にはここが常世国とこよのくにかという土地の人がまだあった。太平洋の沿岸には、そういう伝説の土地が幾つもあった。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
例の垂仁天皇すいにんてんのうのお言いつけによって、常世国とこよのくにへたちばなの実を取りに行ったあの多遅摩毛理たじまもりは、日矛ひほこの五代目の孫の一人でした。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
時あって遠い常世国とこよのくにしのばしめるような、珍らかなる寄物を吹き寄せて、土地の人の心を豊かにした故に、こういうかたの名を世に残したのではないか。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
この四人のごきょうだいのうち、二番めの稲氷命いなひのみことは、海をこえてはるばると、常世国とこよのくにという遠い国へお渡りになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)