帰路かへりぢ)” の例文
旧字:歸路
智恵子は考へ深い眼を足の爪先に落して、帰路かへりぢを急いだが、其心にあるのは、いつもの様に、今日一日をむだに過したといふ悔ではない。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
程なくして吉野や静子等も帰路かへりぢに就いた。信吾には遂に逢はなかつた。吉野は智恵子の病気の気に懸らぬではないが、寄つて見る訳にも行かぬ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
軈てドヤ/\と帰路かへりぢについた。信吾兄妹も鶴飼橋まで送ると言つて一同と一緒に戸外そとに出た。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)