布袋竹ほていちく)” の例文
よしよ。今じゃあ痛くもなんともないが、打たれた時にあ痛かったよ。だって布袋竹ほていちく釣竿つりざおのよくしなやつでもってピューッと一ツやられたのだもの。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
翌朝私は二尺ばかりの布袋竹ほていちくのでこでこなやつを羽織のしたへしのばせて さあこい といふ気で学校へいつた。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
或日彼は誰も宅にいない時を見計みはからって、不細工な布袋竹ほていちくの先へ一枚糸を着けて、えさと共に池の中に投げ込んだら、すぐ糸を引く気味の悪いものに脅かされた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
むかしどおりの布袋竹ほていちく丁字ちょうじの葉むらが、そよそよと風にそよいでいる。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)